ハンドボールを始めたばかりだと「サイドは角度がなくて難しい」と苦手意識を持ちがちですよね。この記事では、ハンドボールのサイドシュートについて、サイドの役割・狙う場所・成功率を上げるコツを順にお伝えします。
サイドシュートが試合を動かす理由
ハンドボールにおいてサイドシュートの決定力は、チーム全体のオフェンス力を底上げする重要な要素です。角度のないサイドから確実に決められると、相手ディフェンスは中央だけを固めるわけにはいかなくなり、横方向にも守備を広げざるを得なくなります。守る範囲が横に広がれば、それだけ中央にも隙が生まれます。角度がないサイドこそ相手の守備を引き伸ばす鍵になる、というのがサイドシュートの面白いところです。
攻撃に幅を生む起点
ハンドボールのシュートにはさまざまな種類がありますが、その中でも守備を横に引き伸ばせるサイドは、攻撃に幅を生む起点になります。サイドが決まる脅威があると、相手は端まで意識を割かざるを得ず、そのぶん味方が中央で仕掛ける余地が広がります。こうしてチームの得点パターンも自然と増えていきます。ハンドボール シュートを種類ごとに特徴があるので、そこを抑えておくとさらに攻撃の幅が広がります。
朝日大学ハンドボール部の躍進
サイドシュートの効果を示す好例が、岐阜県の朝日大学ハンドボール部です。現役時代に「速攻マシーン」と呼ばれた元・日本代表の下川真良監督が、サイドシュートに特化した指導を導入しました。その結果、同部は創部わずか8年でインカレ初出場を果たし、いきなりベスト8へと進出しています。特定の個人スキルを磨くことが、無名のチームを全国強豪レベルへ押し上げる原動力になると分かる実例となっています。
サイドプレイヤーの役割
サイドプレイヤーの動きは、なんとなく端っこで待つイメージを持たれがちです。実際の最大の役割は、誰よりも早くスタートダッシュを切り、最も簡単な得点パターンである速攻の先陣を切ることにあります。サイドはディフェンスの位置から最も遠い場所に構えているため、攻守が切り替わった瞬間に、自然と最前線を駆け上がる役割を担うことになります。この一番遠い位置取りが、逆に一番速く飛び出せる武器になります。
1対1でスペースを生み出す
セットオフェンスでは、自ら起点となって相手ディフェンスの1枚目に1対1を仕掛ける動きが求められます。初心者はパスを回すことに意識がいきがちですが、サイド自身が1枚目へ強気に仕掛けることで、相手の2枚目のディフェンスを引き寄せられます。すると反対側のサイドに大きなスペースが生まれ、コートを広く使った波状攻撃につながります。ハンドボールのサイドシュートでは、シュートそのものだけでなく、味方のチャンスを作る仕掛けも大切な仕事だと言えます。
助走とジャンプのポイント
サイドシュートの成功率は、助走の歩数とジャンプの方向で大きく変わります。まずは助走です。ボールをもらってから焦ってステップを踏むと、ディフェンスに捕まってコースを狭められてしまいます。そこで、味方からのパスを事前に予測して素早く動き出し、相手に捕まる前の「2歩」で踏み切ることを意識してみてください。相手にプレッシャーをかけられる前に踏み切ることが、余裕を持ってシュートへ入るカギになります。
ジャンプは7mラインへ
ジャンプの軌道も重要です。ゴールエリアラインに沿って真横に飛ぶのではなく、「7mライン」を目掛けて斜め前方に跳ぶのがセオリーです。斜め前方に跳ぶとキーパーにとって脅威となる距離まで接近でき、相手のプレッシャーを跳ね除けながらシュートコースの選択肢を大きく広げられます。真横に逃げず前へ踏み込む意識が、角度不足を補う一歩になります。
狙う場所とキーパーとの駆け引き
限られた角度からゴールを奪うには、力任せに投げるのではなく、キーパーの構えと立ち位置を冷静に観察してコースを選ぶことが欠かせません。見るべきは「位置」と「重心」の2点です。この2つを読み取れば、どこが空いているかが自然と見えてきます。空いたコースへ瞬時に打ち分ける判断が、決定力の向上に直結します。
キーパーの構えからコースを読む
キーパーが近くまで出てプレッシャーをかけてくる場合は、手が届きにくい「上のコース」を狙うのが有効です。逆にゴールライン寄りに引き気味で構えている場合は、足元の「低め」や「ニアポスト(近いサイド)」が狙い目になります。
また、立ち位置が左右どちらかに偏っているときは、反対側への反応が遅れるという弱点のサインです。初心者は、まずキーパーが反応しにくい「腰横のコース」を確実に打ち切る練習から始めると、駆け引きの土台が身につきます。
目線を動かすフェイント
コースを読まれないためには、キーパーの目線を意図的に動かすフェイントが有効です。まずはキーパーの頭上を狙う高い軌道のシュートモーションをあえて見せ、相手の目線と重心を上へ引き上げさせます。上を意識して反応した瞬間の隙を突き、実際のリリースでは脇の横・股下・バウンドシュートといった下方向へ狙いを瞬時に変更します。高低差を使ってキーパーを動かし、手薄になった逆のコースを打つのが狙いです。
意表を突く変則シュート
キーパーとの駆け引きに慣れてきたら、相手の予測を裏切る変則シュートに挑戦してみましょう。難易度は上がりますが、決まればシュートの幅がぐっと広がり、守る側を一段と悩ませられます。実際の映像で非常に分かりやすく解説しているのが以下の動画なので、実際の選手の動きを映像で目に焼き付けて、あなた自身のシュートのバリエーションを広げてみてくださいね!
出典元:筑波大学男子ハンドボール部 University of Tsukuba Handball Team
しゃくりシュートのコツ
しゃくりシュートは、手首の力でボールを下から上へしゃくり上げる技術です。初心者が陥りやすいのは、角度を取りたいあまり前に飛びすぎて前のめりになり、遠いコースしか打てなくなることです。これを防ぐには、飛んで打つ位置に立ち、つま先立ちで体勢をキープしながら、高い位置から腕を下げて上へ引き上げる動作を反復するのが効果的です。実戦では空中でしっかり「タメ」を作り、キーパーがピクッと反応した瞬間に手首でしゃくり上げるのがコツになります。
ループシュートと逆スピン
ループシュートは、キーパーの顔面を目掛けて強く打つように見せかけます。そこから手首と指のスナップでボールを少しだけ上げて落とすと、キーパーのタイミングを外せます。
逆スピンは、ボールを深く握り込まずにリリースするのがポイントです。手首を曲げた状態から戻し、空中で「Z」の字を描くように腕を下へ引くと、着地後に予測とは逆方向へ弾む強い逆スピンがかかります。
まとめ
サイドプレイヤーは速攻の先陣を切り、1対1でスペースを生み出す役割を担います。狙う場所はキーパーの構えを読んで選び、フェイントや変則シュートで幅を広げていきましょう。ハンドボールのサイドシュートは、観察と駆け引きを重ねるほど決定力が高まっていきます。










